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真田太平記

2年前、息子が「これ、面白いよ。」とわたしにわたしてくれた1冊の本。「真田太平記第1巻」
この10月に最終巻である「12巻」にたどり着いた。終わりに近づき、また面白くなって、読む速度が速まった。
 
私はまた目が悪くなり、字を読む作業が難儀になり、読書に対する興味が薄れたのが長くかかった理由かもしれない。特に右目の中心部分の視野が欠落しているのが原因で遠近感、距離感がつかめず、文章を読む場合は「行」が分からなくなってしまう。老眼鏡で矯正できないのが困る。

そして、今日、12巻を読み終えた。前半の山場を越えるとあとは「NHK朝の連続ドラマ」の最終回のように安心したリラックスした心地よい展開が進む。どちらかというとおまけ・・・という感じだった。

私は読破するのに2年かかったが、作者の池波正太郎は9年間の連載をしたそうだ。
そしてこの作品を書き上げた時が今の私の歳とあまり変わらないそうで個の大きな違いに驚いてしまう。

毎年、夏に訪れる長野。上田駅近くにある上田城。ラグビーのメッカ、菅平に向かう途中にある真田、長野市松代にある真田屋敷・・・・・。いずれも真田家ゆかりの場所であるが、今ひとつ関わりが判らなかったがこの小説を読んで腑に落ちた。

私が子供の頃は「真田」といえば、「六文銭」、真田幸村、そして猿飛佐助、霧隠才蔵、三吉入道などで有名な「真田十勇士」しか,知らない。

この小説は幸村は無論、父親の昌幸、兄の信之、幸村の従者、佐平次、その息子、忍者の佐助、真田の忍者組織「草の者」を束ねるお江、徳川家康、その息子秀忠、加藤清正などが入れ替わり、主人公になり、話が展開してゆく。豊臣秀吉没後から徳川幕府が確立されるまでの歴史が大名中心でなく、一般市民の目線で説明されてゆくのが面白かった。
「真田幸村」は現代においても英雄ではあるが、テロリストでもある。
秀吉没後の豊臣家は日本政府のようにみえるし、方や家康は中国政府のようでもある。
そんなことをこの小説を読んで感じた。

忍者のような個人の高いパフォーマンスよりもCIAのような緻密な高度の組織の諜報機関が主流になり、甲賀も伊賀も衰退してゆく。色々な知識を学び、読み応えのある小説だった。
by junishimuraf | 2010-10-10 14:01 | ひといき

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