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東新橋イタリア街にお届け。

大学のクラブの先輩から電話があり、「レセプション用のお祝いの花を届けて欲しい。」と依頼されました。
先輩の持っているビルのテナントさん宛てにお届けするようです。
お届け先は高級なイタリア製の紳士服を扱っているお店なので「可愛らしい。」よりは「シック」「重厚」「おしゃれ」がキーワードとの事。色で云えば、ピンクとかじゃないんだ・・・といわれたので「ボルドーやヴァーガンジー、パープルですね。」と申し上げた。

 最初にお届け先のウェッブサイトを見てイメージをなんとなく、掴む。
まずは花を考える。バラ、ダリア、ガーベラ、アルプス乙女(リンゴ)。この辺の花で作ろう。
後はデザインとベース(器)。バスケットは使いたくない。平たく、表面積の大きい器はどんなのがあるだろう?・・・。

イタリアのイメージだから、テラコッタなどがいいのだが、オアシスを直接、セットしてしまうと水が沁みてしまう。
セラミック(陶器の器)では予算が合わない。

結局、直径55cmあるシルバー色のプラスチックの受け皿にオアシスを3つセットすることにした。
沢山のリンゴをひとつずつ、乾いたタオルで磨き上げる下準備から始める。

毎年、この時期、体験学習に来ている中学生にこの作業をしてもらっていたが、今年はお願いしなかった。それなりに忙しかったから。

丁寧に、丁寧に作り上げたアレンジメント。
東新橋イタリア街にお届け。_d0029716_23175467.jpg

使用花材:バラ:サムライ08、アマダ、カーネーション:モンセニオール、ダリア:ジェシー・リタ、アルプス乙女、スパニッシュ・モス、レッド・ウィロー。
20本仕入れたバーガンジーのガーベラは使わなかった。
依頼主のK先輩。花のことは任されたが「名札」のことはチェックがきびしい。
自分の名前よりお届け先の名前を大きくして欲しいとの事。
原稿をファックスで送って欲しいといわれた。
「お届け先」が横文字の名前なのでお届け先のウェッブサイトを見て、似たようなロゴを使う。ロゴは大切。

ファックスを送付すると「もうちょっとなんとかならないかな・・・。この“御祝”っていうの。それから“さま”っていうのも。」
「それでは全部英語にしましょう。」   御祝はCongratulations!になりました。
「様へ」は「to」になり、「より」は「from」になりました。

東新橋のイタリア街の店の前に着きました。店の入り口付近の外にアレンジメントが幾つか並べてあります。
私の作った花も外に置かれてしまうのでしょうか?
「こんにちは!、本日はおめでとうございます。K様よりご依頼を受け、お祝いのお花のお届けにあがりました。どちらに置きましょうか?」

皆さん、笑顔で迎えてくれました。お花が気に入ってくれたようです。
「ここにおいて頂戴。」一番奥の正面のガラスのカウンターの上に置かせていただきました。
東新橋イタリア街にお届け。_d0029716_094392.jpg
男性のスタッフが「このリンゴ、食べられるの?」「勿論、食べられます。甘くて美味しいですよ。」
「じゃあ、今日のパーティで食べられちゃうかもしれないな。」
確かにそうかも知れません。オードブルがそばにあれば、手が行くでしょう。ご丁寧に楊枝まで着いているのですから。(オアシスに固定する為なのですが)
「すごく喜んでいたってKさんに伝えて下さい。」とおっしゃっていただき、うれしい気持ちで帰ってきました。
by junishimuraf | 2011-11-15 23:53 | 花屋の仕事

花屋店主の毎日


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