「雨の訪問者」さんが、「明日、白寿ホールにお花を届けてください。」
2016年 03月 19日
夕方になってもいっこうに収まる気配がありません。
商店街に人の影はなく、お客様の来店も期待できません。
おなかも空いたことだし、「今日はもう晩御飯食べようか。」と店を閉め、二人で2階に上がりました。
でも、当店をあてにして、おいでくださるお客様もいらっしゃると思い、正面ドアに「御用のお客様、只今2階に上がっています。路地脇の自宅玄関のチャイムを鳴らすか、電話でお呼びください。」と貼り紙をしました。
7時すぐ、珍しくワインなどたしなみながら、ささやかな夕食をしていると玄関のチャイムが鳴りました。
「はーい!」
店の前には、雨の中、一人の男性が立っていました。
「明日、白寿ホールにお花を届けてくれますか?家内に手配を頼まれてしまって、こちらに伺いました。」
この「雨の訪問者」さんにお話を伺うと
①奥様の勤め先の方の花の手配を奥様から振られた。
②新宿の勤め先からわざわざお越しくださった。
③新宿の駅周辺の花屋に行ってみたが、気持ちが動かなかった。
④中央線沿線のご自宅なのに小田急線に乗って、来られた。
⑤当店のウェッブサイトにたどり着き、実績を見て、「この店に頼もう。」と思った。
これらの話を聞いて私もAさん(雨の訪問者さん)の気持ちにお答えしなければ・・・・と強く思いました。
雨の中を長い坂道を5分強、登って歩いて 来られた。
しかも、帰り道の新宿の駅そばで 済んでしまう「仕事」を妥協せず、実績のある当店を選び、わざわざお越しいただいた。
翌日、作り上げたお祝いのアレンジメント。
川澄洋蘭園産のヴァンダ、高知県産のエピデンドラム、モテギ洋蘭園産のミディファレノ、オレンジ大輪カーネーション、フリージャ、吉野桜などで個性的、上品に作りました。
7時開演なので4時過ぎにお届けし、無事配達完了。
Aさん、わざわざ、雨の中、お越しいただきありがとうございました。
「貼り紙」をしておいてよかった。その後もバラを1本・・・という男性お客様が二人見えました。
それがないと家に帰れないのかもしれません。
ホワイトデーはそれで終わりました。